成年被後見人,被保佐人,被補助人は自分の預金を下ろすことができるのでしょうか。
1 法律の考え方からみた時
原則,成年被後見人,被保佐人はできず,被補助人はできると考えられます。
成年被後見人は原則自分ではどんな行為もできず,しても取り消すことができます。 また,被保佐人は預金の預入金などの元金を引き出すなどの重要な行為は保佐人の同意がなければできません。引き出しても取り消すことができます。
「ただし,日用品の購入その他日常生活に関する行為について行為については,この限りではない」という法律の注釈がついているためにこの限定された範囲に関するものであれば預金の引き出しもできるのではないかという見方もできます。
被補助人は同意が必要となる重要な行為に元金の引き出しの項目が指定されていなければ自由に引き出しが可能です。
2 金融機関窓口での実際の取扱い
(1)銀行に届出をしなかった場合は銀行は預かっている預金が制限行為能力者(成年被後見人,被保佐人,被補助人)のものであるということがわかりませんので通常通りに本人が引き出すことが可能です。
(2)銀行に届け出た場合はどう取り扱うのでしょうか。届出後は制限行為能力者本人の引き下ろしはできなくなります。具体的には,
ア キャッシュカードの利用は停止されます。
イ 窓口での払い戻しについては保護類型によって取扱いが違ってきます。
成年被後見人については本人の払出はできなくなります。
被保佐人,該当する被補助人については即時の払出には応じずに,同意権者である保佐人,補助人の同意を確認した後に本人への払出になります。
(3)日用品の購入その他日常生活にかかる預金取引
「日用品の購入その他日常生活に関する行為」は制限行為能力者本人が単独でもできるとしても,「どの取引が日用品の購入その他日常生活にかかる預金取引であるのかを判断することはできず,一律の制限も止むおえない対応である」として,一律に払出の制限をしています。
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神宮司公三 (日曜日, 18 2月 2024 13:38)
アオキさん、コメントありがとうございます。
保佐人は被保佐人の預金の引き下ろしについて同意見があるだけで、保佐人が勝手に預金の引き出しはできません。
保佐人が預金引き出しの代理権を家庭裁判所の審判で付与されている場合だけです。
アオキ (水曜日, 24 1月 2024 13:16)
保佐人はひ保佐人の銀行かどで下ろせますか
神宮司公三 (火曜日, 21 10月 2014 22:49)
佐々木さん,コメントをいただきありがとうございます。
(1)印鑑証明
被補助人は印鑑証明は抹消されません。従来どおり使用できます。抹消されるのは被成年後見人だけです。
以下のアドレスは甲府市の場合の印鑑登録についての規定です。
http://www.city.kofu.yamanashi.jp/shimin/kurashi/koseki/inkan.html
(2)その他の制限について
被補助人の制限はすこし複雑です。おおざっぱに言えば,ほとんどの経済活動に制限を受けません。
被補助人それぞれによって制限される事項が違ってきます。家庭裁判所が被補助人となる人について制限される事項を決めることになっています。そして,決められた事項をするときには補助人の同意が必要になります。
たとえば,借金をするときには補助人の同意が必要だということを家庭裁判所が決めると,被補助人が借金をしようとするときには補助人の同意が必要になります。
佐々木 清子 (火曜日, 21 10月 2014 16:57)
教えてください。
被補助人は自分に印鑑証明は末梢されますか?他どんな制限がありますか?
よろしくお願いします。