介護・医療を従来の施設中心から在宅中心へと転換を図り始めています。しかし,介護・医療を引き受ける家庭の様子が高齢化社会の進展とともに変化しています。 介護離職,介護別居といわれる状況が発生しています。
介護離職においては,本来であれば収入の中心となる者の収入がたたれます。専業主婦の立場にある者はとうの昔にいなくなっています。介護の時間のやりくりのために在職が困難になるということは今まであったその収入がなくなることを意味します。
少子化の影響により親を支える子の数は減る一方です。老親を中年の子だけで支えなければならないという家族構成も少なくありません。支えるのが子一人だとすれば,収入そのものが絶たれる結果となってしまいます。
介護別居となればなお深刻です。介護のために二重生活を余儀なくされます。介護にあたる者の収入がたたれるだけではなく,二重生活による生活費が割高になってしまいます。生活費だけではなく,別居生活にともなう精神的な困難も出てきます。地元に残った高齢の親を放っておくこともできずに,都会に生活の拠点を構える者が介護別居をすることはめずらしいことではなくなってきています。
家庭に専業主婦がいてその者が介護の受皿となるよき時代は終わっているのです。介護・医療を在宅中心へと舵を切らざるをえない事情も理解はできないわけではありません。
とはいえ,介護離職,介護別居などの状況にさらに多くの家庭を追い込むのは望ましくありません。在宅介護・医療の回帰への切り札として新設された定期巡回・随時対応型訪問介護看護などのサービスも提供が遅れています。
在宅での介護看護が重荷にならなような制度の運営を望みます。
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