まだこの世に生まれていない者も欠格・廃除においての代襲相続においては相続人となれるということを見ていきます。
相続の同時存在の原則
相続における「同時存在の原則」について,前回は私のお恥ずかしい勘違いの話をいたしました。
「相続における同時存在の原則の「同時存在」の意味で悩んでいました。」(
)
同時存在の原則とは相続の発生と同時に相続する人が存在(生存)していることをいうのは前回説明した通りです。そして,同時存在の原則の例外として相続発生時に胎児であった者は無事生まれたときには相続人になります。
相続欠格,廃除
相続欠格
財産をねらってその持ち主を殺した人などは,相続をする資格がありません。このように相続をさせるのは好ましくない理由を「相続欠格事由」と呼び,それに該当する人は相続人なることができません。
廃除
財産を残す人(被相続人)を虐待したり,侮辱したりした人は,その人の相続人から外されることがあります。被相続人は自分を侮辱した推定相続人を相続人から外すように家庭裁判所に請求することができます。推定相続人というのは,もしその時点で相続が発生したときに法定相続人となる予定の人のことです。家庭裁判所にする排除の請求は遺言でもできます。
相続欠格・廃除の場合の代襲相続
代襲相続
相続欠格事由に該当したり,廃除されますと,その人は相続人にはなれません。しかし,欠格に相当する人,廃除された人に子供がいるときには,その人の相続人としての権利を子が代わりに引き継ぐことができます。これを代襲相続といいます。
代襲できる子は相続人の欠格・廃除時か被相続人の死亡時に同時に存在した子か
次のいずれの時点において代襲相続がおこなわれるかということになるのではないでしょうか。
①非行をおこなった相続人を代襲することができる子は相続人の権利を失ったときに同時に生きていた子(当時胎児であった子も含む)だけ
②被相続人がなくなったときに同時に生きている子も相続人
代襲相続の同時存在時点
どちらの時点かという判断に紆余曲折があったようですが,現在は②であると考えられています。欠格・廃除後に生まれた子を除く理由がないという判断だといわれています。
結論
欠格・廃除がおこなわれた相続に関しては,そのときに生まれてきてはいない子も代襲相続権を獲得することになります。欠格・廃除をその該当する相続人の死亡と見なせば,この結論は「同時存在の原則の例外」のように私には思えます。
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