1.養子の相続税における取扱
以前に養子になれば三人以上の親をもてるということをもてるという話をしました。
「あなたの親は二人それとも三人ですか(普通養子と相続)」
養子縁組を行うとその養子は養親の嫡出子となります。相続権利について実子と同等の扱いがされます。
相続税の計算についても,原則的には実子であっても養子であっても同等の取扱がなされます。ただし,例外もありますので注意が必要です。
2.相続税の2割加算(相続税法18条)
相続をした人が亡くなった人の両親・子・配偶者以外の人の場合には,通常の相続税の額の2割増しを納税する必要があります。逆にいいますと,両親,子,配偶者が相続人であるときには2割加算をする必要はありません。
「相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族・・・中略・・・及び配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。」
参照(国税庁のページ):
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4157.htm
3.相続税2割加算についての二つの例外
(1)孫など直系卑属が代襲相続の場合の例外(相続税法18条1項)
孫は亡くなった人の一親等の親族ではありません。孫は2親等の親族です。孫が代襲相続によって相続人になった場合には子としての相続とみなして,2割加算の必要はありません。
代襲相続により曾孫が相続人になった場合の取扱は同じです。
(2)孫養子などの直系卑属の養子が相続の場合の例外(相続税法18条2項)
養子は実子と同じ扱いになりますので,通常は一親等親族の取扱がなされるというのは,上記「1.養子の相続税の取扱」でみたとおりです。しかし,孫を養子とした場合は例外の取扱がなされますので,注意が必要です。
孫を養子としている場合は,例外的に2割加算の対象となります。
孫だけでなく直系卑属も同様に2割加算となります。
3.まとめ
相続税の計算をするにあたって,相続税を回避することにつながる弊害を避けるため,養子には例外的な取扱がなされています。
孫養子などについては,相続税に対する配慮も必要になります。
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