1.焼骨の祀り方と墓地,埋葬等に関する法律
(1)法律上の祀り方。
墓地,埋葬等に関する法律(以下,墓埋法)に出てくる焼骨の祀り方は次の二つです。
①墳墓への埋蔵
②納骨堂への収蔵
(2)埋蔵の意義についての混乱
「埋蔵」の法律的な定義はなく,たんに土中に埋めるという風に理解がされています。
しかし,地方によっては地面より上の部分に造った窪みに焼骨を安置することがあると聞きます。それは,収蔵なのかということになります。
自宅の別棟に焼骨の安置場所を作り,安置することは,「埋蔵」にあたるのでしょうか。
「埋蔵」にあたるということになれば,それは違法になりますし,あたらないということになれば,勝手に自宅に焼骨の安置所を設置することができます。
2.焼骨を祀る受け入れ施設の祀り方
現在焼骨を受け入れる施設として次の3つがあり,焼骨の祀り方(取扱のしかた)は次のとおりです。
①個人墓(個人供養墓)
墓地の一区画を家の墓の墓所とし,そこの墳墓に骨壺に収めた焼骨を埋蔵します。通常は,土中の遺骨収納室に安置します。
②納骨堂
骨壺に収めた焼骨を個別の納骨棚に安置します。
③合祀墓(永代供養墓)
この形式には2種類あります。
ア 焼骨を骨壺からとりだし,他の遺骨と同じ場所の土中に埋め合祀します。時間の経過とともに土に還ります。
イ 土中に埋め合祀する前の一定期間は納骨堂に収蔵したり,合祀墓の納骨棚に個々に区別して安置します。その後,上記のアのように合祀します。
3.供養の費用と継承者
①個人墓(個人供養墓)
個別墓は維持管理のためにかなりの費用が必要です。
費用だけでなく,墓地利用の継承者が必要になります。
②納骨堂
墓地利用がありませんので,費用は個別墓ほどはかかりません。とはいえ,継続利用にはそれなりの管理費用を要求されます。又,納骨堂の継承者が必要になります。
③合祀墓(合同供養墓)
合祀され個別に供養されることはありませんが,時々の法要などが時期ごとに執り行われます。
のちのちの維持管理費はなく,施設が存続する限り供養がおこなわれ,特には承継者は必要はありません。
4.まとめ
墓地の確保の難しさ,高額の資金が必要であること,承継者がいないなどの理由から合祀墓(合同供養墓)を選択する人が増えてきています。
また,個人墓(個人供養墓)や納骨堂に安置した焼骨であっても,継承者屋がいなくなったり,管理費の負担ができなくなると無縁墓として合祀墓に移されます。
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